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土井淑平 著 
『アメリカ新大陸の略奪と近代資本主義の誕生』
― イラク戦争批判序説 ―

 

    2010年1月5日 配本・発売

 

   ◇発行=編集工房 朔
     〒101-0061 東京都千代田区三崎町2-17-8
              皆川ビル3F
              TEL/FAX 050-1049-0387
   ◇発売=星雲社
     〒112-0012 東京都文京区大塚3-21-10
              TEL 03-3947-1021

 

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 ・丸善&ジュンク堂書店  http://www.junkudo.co.jp/view2.jsp?VIEW=author&ARGS=%93y%88%E4%81%40%8Fi%95%BD

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 ・楽天ブックス  http://search.books.rakuten.co.jp/bksearch/dt/g001/bathr%C5%DA%B0%E6%BD%CA%CA%BF/

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 イラク大暴走、金融大崩壊、財政大赤字・・・これは二重苦・三重苦の〝アメリカ超大国〟の〝終わりの始まり〟か? 本書は米一極主義に行き着いた欧米中心史観の歴史的検証と根源的批判をモチーフに、
 コロンブス以後の世界の歴史をくわしく分析して、アメリカ新大陸の略奪により近代資本主義が誕生したとのテーゼを打ち出し、西欧近代思想の出現もアメリカ新世界の衝撃を抜きには考えられないことを、データに基づいて具体的に論証する。
 さらに、アメリカ合州国の建国が先住民を略奪・せん滅した〝親殺し〟に相当する〝インディアン戦争〟の〝血の落とし子〟だったとするならば、9・11事件を引き金とするアフガン戦争やイラク戦争はインディアン戦争の地球規模の延長・拡大である、とのもう一つのテーゼを提起する。
 しかも、20世紀の核開発の結果、合州国内や太平洋諸島における核実験や核廃棄物の投棄で、核のツケを先住民に押しつける〝もう一つのインディアン戦争〟〝第2のジェノサイド〟が起きている、ことにも注意を喚起している。
 世界を震撼させたイラク戦争と金融危機の衝撃を受け止め、アメリカの世界支配と対米従属からの脱却を目指す世界の動きをフォローしつつ、新しい歴史と政治の見方を提示する渾身の大著。


 

  目次
  序 論 米一極主義とイラク戦争までの長い道のり
  第一章 ヨーロッパ世界とイスラム世界
  1 ムハンマドの登場とイスラム帝国の建設
  2 ヨーロッパ世界とイスラム世界の出会い
  3 ヨーロッパ世界を圧倒したイスラム文化
  4 キリスト教徒のレコンキスタと十字軍戦争
  第二章 大航海時代の幕開けとコロンブスの航海
  1 アジアとヨーロッパの大航海時代
  2 コロンブスの航海とゴールドラッシュの始まり
  3 インディオを虐殺し奴隷化したコロンブス
  4 先住民のタイノ人と食人神話の起源
  第三章 アステカ文明とインカ文明の崩壊
  1 メソアメリカ文明の歴史とアステカ文明の登場
  2 コルテスの征服によるアステカ文明の崩壊
  3 アンデス文明の歴史とインカ文明の登場
  4 ピサロの征服によるインカ文明の崩壊
  第六章 アメリカ新大陸の略奪と近代資本主義の誕生
  1 ヨーロッパ人に征服され略奪されたアメリカ新大陸
  2 ヨーロッパの奴隷貿易と政府公認の海賊たち
  3 資本の原始的蓄積と近代資本主義の誕生
  4 いわゆる低開発の発展と女性の家事労働をめぐって
  第七章 アメリカ新世界の衝撃と近代西欧思想の出現
  1 アメリカ新大陸の征服とインディオの人権擁護
  2 新大陸の征服戦争批判から近代国際法の誕生へ
  3 近代のユートピア思想と西欧啓蒙思想への影響
  4 社会主義・マルクス主義・アナキズム・フェミニズム
  終 章 インディアン戦争からイラク戦争へ
  あとがき
  参考引用文献/写真・図・表 出典一覧/人名索引

 

 

著者の言葉

 イラク戦争を推進したブッシュ政権の背後勢力たる新保守主義グループの「アメリカの新世紀プロジェクト」が、イラクへの軍事侵攻を国際的にも国内的にも容認できるものとするためには、「真珠湾攻撃にも似た破局的な触媒となる事件」が必要だと示唆したのは、2001年の9・11米中枢同時多発事件の2年前のことです。
 9・11事件は数多くの不可解な状況証拠からして、アメリカの新保守主義者や軍産複合体などの背後勢力による自作自演か間接関与の可能性があるのみならず、ブッシュ政権の高官も事前にうすうす知りながら、これを黙認した疑いも消えない事件です。
 しかも、ブッシュ政権にとってイラク戦争は新十字軍戦争の意味を持つ戦争です。7世紀から800年近くもの長きにわたって、ヨーロッパ世界を圧倒する高度な歴史と文化を誇ったイスラム世界に対して、ヨーロッパのキリスト教徒が起こした対イスラムの十字軍戦争は、14世紀末のコロンブスの航海の序曲をなすものでもありました。
 コロンブスの航海はスペイン人やポルトガル人を先頭に、ヨーロッパ人のときならぬゴールド・ラッシュと征服戦争を呼び起こし、繁栄の絶頂にあったアステカ文明やインカ文明を一瞬のうちに壊滅して、新大陸から莫大な金銀などの財宝を略奪する道を開きました。

 イギリスのエリザベス女王は、その財宝をスペイン人やポルトガル人から再略奪した政府公認の海賊たるホーキンズやドレイクをナイト(騎士)に叙しましたが、かれらが人殺しとかっぱらいの略奪品によって王室にもたらした莫大な配当は、回り回ってイギリスの海外投資と資本主義の勃興の重要な原資となったのです。
 こうして、アメリカ新大陸の略奪による資本の原始的蓄積によって、マルクスのいわゆる「頭から爪先まで毛穴という毛穴から血と汚物をしたたらせながら」、ヨーロッパの近代資本主義が誕生したのであり、西欧近代思想もアメリカ新世界の先住民社会の衝撃を抜きには語れない、というのが本書の基本的に重要なテーゼです。
 近代資本主義の揺籃期はヨーロッパ人がアフリカの黒人をカリブ海域に連行して利益をむさぼる奴隷貿易の時代でもありました。この奴隷貿易によって蓄積された資本が、産業革命を導いたジェイムズ・ワットの蒸気機関に融資され、アメリカ独立革命の英雄とされる将軍ジョージ・ワシントンの大砲の調達を可能にしたことは、銘記さるべき事実です。
 そればかりではありません。アメリカ合州国は親殺しに相当する先住民せん滅と土地奪取のインディアン戦争の血の落とし子だったのです。にもかかわらず、合州国の建国と憲法が先住民のイロコイ族の民主制と連邦制の影響を受けていることは、1988年に米連邦議会両院が採択した「イロコイ感謝決議」で遅ればせながら公けに認められたのでした。
 ところで、9・11事件に引き続くアフガン戦争やイラク戦争は、インディアン戦争の地球規模の延長もしくは拡大である、というのが本書のもう一つの基本的に重要なテーゼです。かつてのインディアン戦争における「野蛮人の文明化」や「キリスト教化」を「中東の民主化」や「自由と民主主義」と言い換えて、アメリカは国際法違反の侵略戦争を正当化していますが、アフガン戦争やイラク戦争が中東の覇権掌握と石油確保を目指すものだったことは明らかです。

 

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