脱原発と脱基地のポレミーク ― 市民運動の思想と行動

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◇発売=2017年7月10日
◇出版=綜合印刷出版
 TEL0857-23-0031 FAX0857-23-0039
 E-mail info@sogoprint.com
◇発売=星雲社
 TEL03-3947-1021 FAⅩ03-3947-1617
◇390ページ、定価2200円+税

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    目次

 第一章 脱原発のポレミーク(論争)
  一 3.11後の脱原発運動に寄せて
  二 脱原発の厚い壁とそれを突き破るもの
  三 「ニューウェーブ」と「オールドウェーブ」を超えて
     ― チェルノブイリ後の反原発運動の新たな地平
 第二章 脱基地のポレミーク(論争)
  一 琉球独立論の地平
     ― 松島泰勝『琉球独立論』を読む
  二 アメリカの世界軍事戦略と普天間基地の辺野古移設
  三 アメリカの世界支配と対米従属からの脱却
 第三章 放射性廃棄物のアポリア
  一 高レベル廃棄物の最終処分場
  二 世界のウラン鉱山 ― 映画『イエロー・ケーキ』の上映に当たって
  三 日本のウラン鉱山 ― 人形峠で起きたこと

 第四章 ふるさとの環境運動
  序 四日市~鹿児島~とっとり
  序 わたしの環境運動の出発点と通過点
  一 青谷原発立地阻止運動
  二 人形峠ウラン残土撤去運動
  三 農薬空中散布反対運動
    結び 原発再稼働前提の原子力防災対策への根本的批判
    付記 環境運動で出会った人びと
 初出一覧
 あとがき

 


 第二次世界大戦中 ― といっても、太平洋戦争勃発の直後に地方で生れ、敗戦後の混乱と朝鮮戦争をかすかな記憶に残し、高度経済成長の上昇期に青年期を送ったわたしの目の前で起きたことは、経済と社会と文化の大変貌であった。ひと言でいえば、アメリカ型の大衆消費社会と大衆消費文化の洪水のごとき氾濫である。その氾濫に翻弄されながら、公害の四日市や川内原発建設計画を抱えた鹿児島を経由して、郷里の山陰にUターンしてわたしが直面したのは、青谷(あおや)原発立地計画と人形峠周辺のウラン残土の大量放置事件だった。
 わたしは中国電力の青谷原発立地計画の阻止、続いて、旧動燃(現日本原子力研究開発機構)が放置していた人形峠周辺、なかんずく旧東郷町(現湯梨浜町)方面(かたも)地区のウラン残土撤去運動に全力で取り組むことになったが、それを足場に全国の反原発運動ないしは脱原発運動と交流する機会も得た。これらの活動はいずれも市民運動の思想に立脚したものだが、そのなかで執筆した論文・講演・学習会資料をもとに編集したのが本書である。
 脱原発と並んで沖縄の脱基地の講演も加えたが、わたしは近年沖縄の現地で出ている琉球独立論に賛成である。昨今話題の北朝鮮有事のさい、北朝鮮のミサイルの攻撃対象として日本の在日米軍基地なかんずく沖縄の米軍基地が挙げられている。そればかりではなく、北のミサイルや二〇万と言われる北朝鮮の特殊工作員が標的としているのは、列島にズラリと立ち並ぶ日本の原発である。この恐るべき重大な事実を政府や大手マスコミが伏せて、万一の場合、米軍が日本を守ってくれるなどといった甘い幻想とともに、対米従属で米軍の行動の容認をもってよしとしているのは、まことにゆゆしき事態である。北朝鮮の高官が、北朝鮮有事のさい一番被害を受けるのは日本だと警告を発しているのは、実は在日米軍基地だけでなく原発に対する攻撃をも意味している、と危機感をもって真剣に受け止める必要がある。原発変じて自爆用の核爆弾となる                         

 

                                                                                           (「あとがき」より)